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鍵盤の話


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物心着いた頃から、日本にある周りのピアノの鍵盤は、黒と白。

昔のピアノは大変高価なもので、黒鍵は黒檀、白鍵は象牙が使

われていましたが、現代では、ほとんど、プラスティックです。



これは、白いアクリル鍵盤を剥がしたところ。

綺麗な木の落ち着いた色が見えています。

鍵盤の本体は、すべて木材でできていて

素材は、ほとんどスプルース。



茶色と黒。

これはこれで とても美しい。



昔、ヨーロッパでは、白鍵の部分に、象牙の代わりに木を使用し

た鍵盤楽器もありました。

その木は、日本では櫛で有名な柘植の木です。

材質が固く、しっかりしているので鍵盤に適していたのです。

しかし、いくら堅木とはいえ、長年弾いていると、

キーの真ん中が凹んでしまいます。

やはり象牙が一番・・・しかし象牙は大変貴重品。

そこでピアノ職人が考えたのが、牛骨です。



手触りは、象牙にそっくりで、感触も良いですが、

表面の粒子は少し荒く、経年変化と共に、

ポツポツと非常に小さいけれども

細かい茶色の斑点が現れてくるので、

象牙に比べて「白さ」という点で少し分が悪いです。



そのほか使用されたものとしては、美しい輝きを持つ螺鈿。

貝殻特有の光は、贅沢な楽器に更に華やかさをプラスします。



長い歴史の中で、いろいろな材質が用いられてきた鍵盤。

ピアノ職人たちが試行錯誤しながら

様々な素材を試してきました。



音楽を奏でる「指」が直接触れる鍵盤。

「演奏家の心」を受け止め、そして「魂」を伝えてくれる、

最初の「入口」です。











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再会


昔の友人に思いがけなく会えた嬉しさは格別だ。

当時の思い出が瞬時に蘇る。

しかし当工房の場合は、人ではなく「楽器」との再会。

それは、ドイツの手回しオルガン、

「デライカ・ストリートオルガン」との再会だった。


見慣れた手書きの花模様。

かわいい取っ手のついた、大きな車輪の台車に乗って、

ステージの端っこ、白壁のすぐ脇に、

なんだかちょっと、はにかんだ様子で、その子は、いた。



181113_1702~01



ヨーロッパには多くの手回しオルガン製作社があるので、

そばへ行ってみるまで、それが「デライカ」だという確証はなかった。

30年近く前バブルの頃、当社はデライカ・ストリートオルガンの

販売・レンタルをしていた。

清里・萌木の村、りんどう湖ファミリー牧場、イベント会社などに

多数販売した。

が、バブルの終焉とともに、自然と取引が無くなった。



それが、20年以上も経って、こうやって再会できたとは。

河口湖オルゴールの森美術館。

うちから販売した子ではないけれど、巡り巡って、

ドイツからはるばる 

この地に来た。



よく見ると、ステージの中央にデーンと鎮座している、

すごく大きくて、 たくさんパイプが並んで、

色々な音の出る仕掛けのある、存在感のあるおじさん 

おばさん達に比べると、デライカ君はホントにとても小さい。



けれど、なかなかどうして、堂々としている。


181113_1700~01


こんなに小さくても、ものすごく大きな音が出る。

とても楽しい、踊りたくなるような音楽。



聞きたい人は、ぜひ当工房へ!!






いにしえの音



当工房所有の明治時代のアップライトピアノ、「オットー」を見に、以前当店を訪ねてこられた、一橋大学言語社会研究科教授の小岩信治先生が、如水会館で9月末に開放講座を開かれた。
小岩先生と、芸大古楽科講師でピアニストの小倉貴久子さんによる、「一橋大学開放講座」、題して「ピアノの歴史」。

1795年製の復元楽器、ウィーンのアントン・ヴァルターのフォルテピアノと、これもまたウィーンの1845年製・ヨハン・バプティスト・シュトライヒャーのロマン派時代のピアノ、そして1923年製のドイツ製ベヒシュタイン、3台による楽器の生演奏と、ピアノの歴史講座。

楽器製作者の系譜、ピアノのアクション構造、それぞれの時代のピアノの工夫などの講義を聞きながら、尚且つ、その時代の音楽家の作品の生演奏を、実際に使用されたであろうピアノで聞く事ができる、なんとも贅沢な時間だった。


  ● アントン・ヴァルター

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モーツァルト時代の軽やかな音。 しかし、この軽やかなコロコロした音を、現代のピアノで出すのは難しい。。。


  ● シュトライヒャー

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実に香り高き音。それぞれの声部の独立性は素晴らしく、伸びのあるつややかな音は、「ロマンの香り漂う」、という表現がぴったりだ。 当時の作曲家たちは、この夢のような響きに、さぞかし想像力をかきたてられたことだろう。 小倉貴久子さんのシューマンは素晴らしかった。


そして、ベヒシュタイン。
現代の、というよりは、今から95年、約1世紀前に作られたピアノだから、やはりオールドだろう。
パワフルで鳴りが全く違う。演奏されたのは、ドビュッシーの喜びの島。華やかなラストは、まさに圧巻。


3台聴き比べると、楽器としての発展の歴史がわかる。
小岩信治先生のお話も、大変わかりやすく、実りの多い、濃い時間を過ごすことができた。

楽器とともに音楽も広がりを見せる。

シュトライヒャーのピアノを聞いた人たちは、本当に驚いたことだろう。
あのピアノは、うちにも1台欲しいものだ。


















「音の旅人」コンサート



10月6日(土)16時より、渋谷の l'atelier (ラトリエ)にて、塚本香央里さんのヴァイオリンコンサートが行われます。
ピアノは川元真里さんです。それに先立ち、14時からは、増本鈴音さんと増本響香さん姉妹による若きフレッシュなプレコンサートも行われます。


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蜜蜂と遠雷


恩田 陸 の、日本の、ある国際ピアノコンクールに参加する参加者たちと審査員たち、そしてコンクールを支える人たちのドラマ、「蜜蜂と遠雷」。



蜜蜂と遠雷



「本屋大賞」と「直木賞」、二つのタイトルを受賞した力作です。





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